栗田工業の「水処理膜の洗浄剤及び洗浄方法」を読む

特開2015-151517 栗田工業「水処理膜の洗浄剤及び洗浄方法」

今回も栗田工業の特許です。なぜ栗田工業ばかりかというと、以前読んだ特許の整理しながら、まとめをしているからです。
実際に書いてみると、頭が整理されて、今後どのように勉強を進めていこうかな、など頭に浮かんできます。
他社の関連特許も読んでまとめて、水処理技術についのマインドマップを作成したいと思っています。

まとめ

【課題】

水処理膜、特に芳香族ポリアミドRO膜の微生物代謝物、界面活性剤で汚染されている、従来技術で洗浄できない膜を洗浄する。

RO膜・・・水不足解消→海水、かん水の淡水化、排水回収に用いられる。

RO膜には芳香族ポリアミドを素材とするRO膜が主流。

→ポリアミド膜の特徴:

モジュール内にスライム防止のスライムコントロール剤が用いられる。

しかし微量塩素の酸化力でも耐性がない。

→スライム汚染の完全防止が難しい。

→スライムは数ヶ月ごとに化学洗浄してフラックスを解消

→ポリアミド膜の洗浄にはNaOH希薄水溶液が使われる。(多糖類の-COOHを乖離させ、溶解性を増加させて洗浄を推進。COOHがない場合、NaOHの洗浄能力はない)

ポリアミド膜の汚染物質

*微生物スライム 
フラックス低下と脱塩率」悪化(←ポーラリゼーションによる):同時進行

*界面活性剤   
フラックス低下するが、脱塩率は良くなる(←界面活性剤が薄膜状態で均一にRO膜にくっついて脱塩するから。しかし、設備運転上、フラックスの低下は大きな問題)

【解決手段】

(既存特許 特開2011-56496、特開2010-131469)
<フェノール性水酸基を有する高分子化合物のアルカリ溶液>:前処理段階で凝集剤として用いる
→スライム汚染構成物質の主体である多糖類、 非イオン界面活性剤 を凝集、不溶化、除去できる

解決手段は
既存特許で、凝集剤として使用されている、
<フェノール性水酸基を有する高分子化合物のアルカリ溶液>を使い、洗浄するというもの。


→既存の NaOH希薄水溶液 洗浄と比較して効率よく洗浄可能

<フェノール性水酸基を有する高分子化合物のアルカリ溶液>による洗浄排水

→汚染対象物質と反応していない、凝集剤として有効な成分を多く含む→減水の前処理凝集工程で再使用可能!

つまり、ポリアミドRO膜の洗浄に使用したものでも、汚染対象物質と反応していないものは、ポリアミド膜の汚染物質に対する凝集剤として、再度使用でき、という一石二鳥だということ。

<フェノール性水酸基を有する高分子化合物のアルカリ溶液>の作製方法

フェノール類+アルデヒド+酸触媒→ノボラック型フェノール樹脂+アルデヒド+アルカリ触媒

→レゾール型(二次反応)で得られる。