「白金族金属担持触媒、過酸化水素の分解処理水の製造方法、溶存酸素の除去処理水の製造方法及び電子部品の洗浄方法」とモノリス

「白金族金属担持触媒、過酸化水素の分解処理水の製造方法、溶存酸素の除去処理水の製造方法及び電子部品の洗浄方法」

出願人:オルガノ株式会社

特開2010-214322

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【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機多孔質アニオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が、担持されている白金族金属担持触媒であり、
該有機多孔質アニオン交換体は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が水湿潤状態で平均直径30〜300μmの開口となる連続マクロポア構造体であり、全細孔容積0.5〜5ml/g、水湿潤状態での体積当りのアニオン交換容量0.4〜1.0mg当量/mlであり、アニオン交換基が該有機多孔質アニオン交換体中に均一に分布しており、且つ該連続マクロポア構造体(乾燥体)の切断面のSEM画像において、断面に表れる骨格部面積が、画像領域中25〜50%であり、
該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする白金族金属担持触媒。
【請求項2】
有機多孔質アニオン交換体に、平均粒子径1〜100nmの白金族金属のナノ粒子が、担持されている白金族金属担持触媒であり、
該有機多孔質アニオン交換体は、アニオン交換基が導入された全構成単位中、架橋構造単位を0.3〜5.0モル%含有する芳香族ビニルポリマーからなる平均太さが水湿潤状態で1〜60μmの三次元的に連続した骨格と、その骨格間に平均直径が水湿潤状態で10〜100μmの三次元的に連続した空孔とからなる共連続構造体であって、全細孔容積が0.5〜5ml/gであり、水湿潤状態での体積当りのアニオン交換容量が0.3〜1.0mg当量/mlであり、アニオン交換基が該有機多孔質アニオン交換体中に均一に分布しており、
該白金族金属の担持量が、乾燥状態で0.004〜20重量%であること、
を特徴とする白金族金属担持触媒。
【請求項3】
請求項1又は2いずれか1項記載の白金族金属担持触媒に、過酸化水素を含有する被処理水を接触させて、該過酸化水素を含有する被処理水中の過酸化水素を分解除去することを特徴とする過酸化水素の分解処理水の製造方法。
【請求項4】
前記有機多孔質アニオン交換体が、OH形であることを特徴とする請求項3記載の過酸化水素の分解処理水の製造方法。
【請求項5】
前記白金族金属担持触媒に、前記過酸化水素を含有する被処理水を、SV=2000〜20000h−1で接触させることを特徴とする請求項3又は4いずれか1項記載の過酸化水素の分解処理水の製造方法。
【請求項6】
請求項3〜5いずれか1項記載の過酸化水素の分解処理水の製造方法を行い得られる処理水で、電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄することを特徴とする電子部品の洗浄方法。
【請求項7】
請求項1又は2いずれか1項記載の白金族金属担持触媒の存在下で、水素と酸素を含有する被処理水中の溶存酸素とを反応させて水を生成させることにより、該酸素を含有する被処理水から溶存酸素を除去することを特徴とする溶存酸素の除去処理水の製造方法。
【請求項8】
前記有機多孔質アニオン交換体が、OH形であることを特徴とする請求項7記載の溶存酸素の除去処理水の製造方法。
【請求項9】
前記白金族金属担持触媒に、前記酸素を含有する被処理水を、SV=2000〜20000h−1で接触させることを特徴とする請求項7又は8いずれか1項記載の溶存酸素の除去処理水の製造方法。
【請求項10】
請求項7〜9いずれか1項記載の溶存酸素の除去処理水の製造方法を行い得られる処理水で、電子部品又は電子部品の製造器具を洗浄することを特徴とする電子部品の洗浄方法。

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まず、背景技術からみていきます。

配管、熱交換器の腐食、シリコンウエハの自然酸化膜形成の原因となる、超純水製造における「溶存酸素の除去が課題」とされます。

溶存酸素は一次純水系における脱気装置にて低減します。

しかし、一次純水系、二次純水系における紫外線酸化処理過程で副生物として発生するH2O2が二次純水系ポリッシャ工程で分解され、O2を発生させる。 このため、溶存酸素濃度が上昇します。

先行技術では、合成炭素系粒状吸着剤を用いて紫外線酸化装置のの過酸化水素を吸着する方法があるが、大量の吸着塔が必要とされます。

また白金族金属ナノコロイド粒子を単体に担持させた触媒によって分解する方法があるが、通水空間速度SVが低い領域でしか使用できないという問題があります。

課題として、

「大きなSVで通水してもH2O2の分解除去、溶存酸素の除去、触媒の充填層を高くしても分解除去が可能な高性能触媒」があげられます。

ここで、課題を解決するための手段として、

「モノリス中間体にビニルモノマー、芳香族ビニルモノマーと架橋剤を静置重合する方法」が記されています。

この発明により

モノリス中間体から骨太骨格のモノリス中間体が得られ、

ここにイオン交換基を導入し、白金族金属担持触媒を担持させることで、大きなSVでの通水が可能となり、かつ効率的にH2O2の分解除去と残存酸素の除去が可能となります。

下記のように図に書いてみました↓

さてここで、、、

この特許のキーワード「モノリス」ですが、調べたところ、下記のような説明がありました。

「貫通した孔と骨格(材料部分)から構成され,網目状の共連続構造をもつ一体型の多孔体」

「マイクロメートルオーダーの網目状の骨格が繋がった特徴的な構造をもつ一体型の多孔質体」

要は、「ジャングルジムの構造」をイメージしました。

モノリスをカラム材料に使用した場合、固定層と液体層の間での迅速な物質移動が、最大の利点としてあげられるようです。ということは、圧力損失が低くなります。

現在バイオマスプラスチックのモノリス化、

炭素モノリスの開発(電池材料)、

敗血症の原因となるエンドトキシン除去フィルターへの応用など多領域での開発が進んでいるようです。

 

半導体製造に使用される超純水の水質要求値は高まっているので、半導体領域でのモノリスの開発、

バイオプラスチックにおけるモノリスの開発、

が私としては興味深いとおもっているので、

モノリスについて様々な特許がでているので、いろいろ読んでみたいと思っています。